土曜日午後8時の番組はTBSの8時だョ!全員集合がファミリー層、日本テレビの全日本プロレス中継が高年齢層から人気を得る一方、テレビ朝日は土曜時代劇枠の人形佐七捕物帳が視聴率一桁に低迷したため、新人を起用することになり、勝プロダクションから売り込みがあった松平が選ばれた[1]。
新人ということで新たなものが企画され、将軍徳川吉宗が江戸市中を徘徊し大立ち回りを演じるという内容は局内でも物議を醸したが、視聴率はスタート時の9%から徐々に数字を伸ばし1年後には15%を超える人気番組となった[1]。
シリーズ12作と最終回スペシャル・復活スペシャル・2008年末のスペシャルの3本を合わせた放映回数は計832回と、同じ俳優が演じた単一ドラマとしては大川橋蔵の『銭形平次』888回に次ぐ長寿番組である。レギュラー放送は終了して久しいが、地上波やCS放送[2]などで頻繁に再放送が実施されていることもあり、今も知名度は衰えていない。
ナレーターはシリーズを通して若山弦蔵が担当していた。
[編集] 基本ストーリー
江戸幕府の八代将軍・徳川吉宗が、町火消"め組"に居候する貧乏旗本の三男坊・徳田新之助に姿を変え、市井(しせい)へ出て江戸町民と交流しながら、世にはびこる悪を斬る勧善懲悪ものである。
[編集] 事件の発端
物語は、江戸や諸藩における諸問題について、南町奉行・大岡忠相や高級幕臣(この高級幕臣が事件の黒幕であることが多い)などから報告を受けた吉宗が、事態の深刻さに憂慮することから始まる。ここで吉宗に報告される諸問題の代表例を、以下に挙げる。
- 連夜発生している辻斬りや盗賊団による凶悪事件
- 塩や米などの買占め・卸値吊り上げによる小売価格高騰
- 偽小判の流通
- 公儀発注の公共工事を巡る汚職の疑い
- 放送と前後して話題となっている時事問題(になぞらえた問題)
事件の調査や気分転換などを理由に江戸市中に出た吉宗は、ストーリーの中心人物が悪人の手下に襲われている現場に遭遇、その優れた剣術で手下たちを撃退する。その後被害者から襲われた事情や身の上話を聞き出し、め組の頭や若い衆をはじめ、南町奉行・大岡忠相、公儀御様御用(後に浪人)・山田朝右衛門らと協力して問題解決にあたることとなる。
[編集] 事件の真相究明
吉宗に撃退された手下たちは現場から逃走し、周囲に十分な注意を払わぬまま商人や要人の屋敷へと逃げ込む。しかし彼らは吉宗のお庭番によって尾行されており、屋敷の主が事件の黒幕として特定される。また、回によっては波止場で待つ黒幕が手下の口を封じて船で逃亡することもあり、遺留品などをもとに地道な捜査を余儀なくされることもある。
黒幕の例として以下のようなものがある。
- 権力争いから幕政の中核に昇りつめようと企んだ高級幕臣(勘定奉行の地位を狙う大身旗本、老中職を狙う若年寄など少禄の譜代大名)
- 私腹を肥やすことを目論んだ閑職の高級幕臣(番方)
- 閑職に追われ私怨で復讐する大身旗本
- 吉宗の将軍就任後の改革によって地位を追われ復権を図る元権力者の幕臣(医官など)
- 各藩の実権掌握や私腹を肥やすことを目論んだ江戸留守居役の高級陪臣や各藩の江戸家老など
- 汚職の贈賄側の悪徳商人
- 尾張大納言宗春を将軍にすることを目論む尾張藩関係者
- 宗春を将軍にすることで復権を図る元権力者の幕臣(徳川家宣・家継時代の権力者)
真相を知り早まった善人が黒幕の屋敷に乗り込み斬られたところに吉宗が駆けつける場合もある。斬られる場所は黒幕の屋敷ばかりとは限らず、他の場所で襲撃され吉宗が看取ることもある。この場合、松平健のシングル「夢灯り」「ぬくもり」などが流れると、懐手(和服を着たとき手を袖から出さずに懐に入れていること)などで黒幕の屋敷に向かうシーンへと切り替わる[3]。
[編集] クライマックス
最後は黒幕の屋敷などに乗り込み悪を成敗する。
[編集] 吉宗の登場
劇終盤の夜間、悪人達が黒幕の屋敷などで悪事の談合や出世祝いなどと称した宴席を開き「次期若年寄の座はこの儂に決まったも同然じゃ」「○○屋(悪徳商人)、儂が○○(老中、勘定奉行など)に出世したらおぬしを江戸一番の大金持ちにしてやるぞ」「○○(善人)も哀れな男よのう。今頃は三途の川。案ずるには及ばん」などと話しているところへ、「その悪事、許すわけにはいかぬな」「その宴、この世の名残りの宴と知るがよい」「これ以上、余の名を汚すことは許さん」などエコーのかかった吉宗の台詞が響き渡る。また、善人を斬りつけようとした悪人の手元にめがけて「正義」と記された扇子を投げつけて動きを止めたり、稀に牡丹の花や偽小判、南蛮渡来の手投げ弾(漫画に出て来るような典型的な、黒い球から導� ��線が延びたタイプ。着火した状態で投げ込むため、悪党たちは慌てふためくが、肝心の火薬は抜いてある。)などの自らの悪事の裏付けとなるような証拠物品を障子を破って投げ入れたりするパターンもある。
障子を開けた悪人達は暗闇から現れた吉宗(悪人が口を封じたはずの善人に扮していることもある)を見て、悪徳商人や用心棒は「お前は徳田新之助」「貴様はこの前の浪人!」「この間邪魔をしたのはこいつです」などと黒幕に言いつける。自分を呼び捨てにしながら悪事の証拠を並べたてる吉宗に対し、黒幕は「黙れ! だまれ!」「何者じゃ貴様!」「浪人の分際で……。ここを誰の屋敷と心得ておる!」「はて、何処かで見た顔だが」などと高慢な態度をとる。これに対し吉宗は、「戯け者!」「愚か者!」などと一喝したのち、「余の顔を見忘れたか」「お主、主(あるじ)について江戸城に登城・将軍に拝謁したことがあったであろう」(黒幕が大名、旗本の家臣の場合)などと、自らの顔をよく見ろといわんばかりの台詞を投げかけるほか、公儀発注の土木工事での札入れにかかる不祥事を嗅ぎまわる御側御用取次・田之倉孫兵衛(爺)の命を黒幕の作事奉行が狙う回(IV第65話)では、「お前の悪事、爺の孫兵衛によりすでに調べは付いているぞ」などと、自らが吉宗であることを示唆するような意味深な発言で悟らせる場合もある。
稀に、以下のように御庭番や大岡、爺などが一喝する場合もある。
- 御庭番が一喝する場合
- 「頭が高いぞ! 、○○(黒幕の名前又は役職)! 御前に居られる御方が分からんか」「このお方をどなただと心得る!」「上様の御前である!」「この紋所が目に入らぬか!」「控えぃ、○○! その御方は上様にあらせられるぞ!」(IV第58話、第65話、第72話) など。
- 大岡が一喝する場合
- 「上様の顔を見忘れたか!」「虚け者! この御方の顔を見忘れたか」 など。
- ※横内正が演じていた時、一度、『水戸黄門』の渥美格之進役そのままに「こちらにおわす御方を何方と心得る!?」(IV第61話)と言ったことがある。
- 爺が一喝する場合
- 「控えぃ! ○○、上様であらせられるぞ」(V第29話)など。
山田朝右衛門が殺陣に加わる場合、朝右衛門が、「この御方がどなたなのかまだ分からんのか」(III第118話)「皆の者、控えろ」(V第11話)と一喝する場合もある。
黒幕は「なにぃ、余じゃと?」と言いながらじっくりと顔を眺めると、江戸城での将軍謁見シーンが脳裏をかすめて吉宗と気付き、「…う、上様!!」などと驚きながら、手下と共に慌ててひれ伏す(稀にXI第15話のように吉宗と気付いてもひれ伏さず、いきなり反逆のこともある。尾張藩関係者の場合には最初から吉宗と見知っていてひれふさずいきなり反逆する例がある)。善人がいる場合は「…う、上様!?」と驚き、「ははぁ!! 畏れ入り奉りました!!」と観念する。このドラマでは、『水戸黄門』のように殺陣の途中で家紋入りの印籠などを見せて「身分を明示」する方法とは異なり、殺陣の前に問いただして「顔を思い出させる」パターンがほとんどである。
回によっては、鋭い黒幕が吉宗の一喝前に気付く場合(時にはそれより前。初期はこのパターンが多い)や、幕府直轄の領地(天領)において将軍・吉宗であることを名乗って登場する場合のほか、悪人の側に吉宗の顔を知っている人物がいない場合もある。
ビヨンセ滝オーランドコンサート写真
[編集] 悪人の反逆
ひれ伏す黒幕に対し、吉宗は、これまでに自ら見届けた証拠をもとに悪事の所業の数々を並べたて(「(黒幕本名)、その方、(役職名)の座にありながら御用商人と結託して私腹を肥やし、あまつさえ、不正を告発した(善人の犠牲者)を手先を用いて亡き者にするなど」等)、「悪事は明明白白のもとに曝されているぞ」「その罪、断じて許し難い」「任命した余にも責任がある」などと総括したのち、「この場にて腹を切れ!」「潔く法の裁きに服すが良い」「天に代わって成敗する」などと迫るが、ここで悪人たちは開き直って吉宗に刃向うため、殺陣となる。
悪人の開き直りの台詞には以下のようなパターンがある。
- 目の前の人物が吉宗ではないと居直るパターン
- 「上様がこのような所に来られるはずがない」「恐れ多くも上様の名を騙る不届き者だ」「こ奴は上様ではない」「上様の顔を忘れた」など
- 反逆を口にするパターン
- 「上様とて構わぬ」「ここで死ねばただの狼藉者」「八代将軍もこれで終わりぞ」「何をほざくか吉宗。良い所に現れたものよ」「飛んで火に入る夏の虫とはこの事よのう」「吉宗の首を我が殿、宗春公に差し出せ」(黒幕が尾張藩関係者の場合)「もはやこれまで、かくなる上は……」「上様に取り付いた死神になりましょう」「腹を切るのは拙者ではなく、上様の方じゃ」など
- 更に悪事を重ねても構わないと開き直るパターン
- 「悪党らしく死に花を咲かせてくれるわ」「そこまでばれているのなら、毒を食うは皿まで」「もはやこれまで、斬れ! 斬れ!」など
- その他のパターン
- 「我ら幕閣(幕臣、幕客)あっての上様ではないか」「上様と太刀交えるは武門の誉れ」(Ⅵ第5話、薩摩藩関係者に一例。吉宗は「参れ」と受けた)「そんな事をしては、こっちの身の破滅」など。その他にも、悪人が「吉宗殿、神君家康公のお墨付きの御前でござるぞ。如何に八代様とて頭が高うござる。御控え召されい!」という変則的なものもある。ちなみに、そのお墨付きは吉宗の居合抜きで真っ二つにされ、前述の吉宗の糾弾に戻る。
[編集] 殺陣
殺陣(たて/さつじん)はこの番組最大の見せ場である。殺陣は、メインテーマをアレンジしたBGM「4-43」(暴れん坊将軍ベストコレクションVol.1 Best of Soundtrack 30曲目に収録)に乗って、概ね次の流れで展開される。二人の御庭番とともに3名で戦うことが基本となっているが、回によっては忠相やゲスト出演の侍らが参戦することもある。
黒幕の「曲者じゃ! 出合え! 出合え!」の呼集に家臣たちが駆け付け、吉宗を取り囲む。さらに黒幕が「こ奴、上様の名を騙る不届き者。斬れ! 斬り捨てい!」「こ奴を屋敷から生かして帰すでない!」「こ奴を討ち取れ!」「○○の屋敷と知って金を盗みに参った。斬り捨てい!」などと叫ぶと、家臣たちは一斉に太刀を抜いて吉宗に向って構える。吉宗は懐手している場合ここで袖から腕を抜き、無言で鞘(さや)から太刀を抜くが、「止むを得ん」「どこまでも腐り切った奴め」と吐き捨てたり、「名も無き女(被害者)よ。弔いの唄をきかせてやる」などと言う場合がある。吉宗が太刀を肩の高さで立て構えた状態で返すと同時に「カチャ」という効果音、太刀の三つ葉葵が刻印されたハバキ部分がアップになりBGMが始まる。稀に、暗闇を背景に光り輝く太刀の剣先部分のアップが使用されることもある。
最初に襲いかかってきた数名を倒したのち、廊下に上がり込んだ吉宗は、以降、数名との交戦を一単位として、これを何度か繰り返しながら、次のアクションとの間に黒幕に向かって進み寄る。手下の頭クラスの悪人も、この過程で斬られるケースが多い。画面構成は、手前に黒幕の肩などを一寸入れた「肩なめ」で撮られることが多い。他方で交戦する御庭番のシーンを何度か交えながら、途中、吉宗が黒幕をカッと睨みつけるシーンが挟まれ、徐々に追い詰めていく。吉宗や忠相は峰打ち(刀背打ち)で、御庭番たちは逆手で斬りつける(大月半蔵は仕込み槍や仕込み杖、おそのは仕込み三味線を使用)、または薮田助八のように柔術や拳打で敵を倒すこともある。
[編集] 成敗
手下が全滅し、追い詰められた黒幕は「おのれー!」などと叫びながら吉宗に斬りかかるが、太刀払いで簡単に退けられ(旗本の場合、攻勢に出たり数合持ち堪えることができる者もいる)、その迫力に圧倒されておどおどする。吉宗が厳しい表情で黒幕を睨みつけながら「成敗!」と一喝すると、この命を受けた二名の御庭番が斬りつけて黒幕が崩れ落ちる。黒幕一人の場合は御庭番が交差する形で二回斬りつけ、黒幕が二名の場合は各一斬りで仕留めることが多い。御庭番が吉宗の元に戻って片膝をついて座礼した後、吉宗は太刀を返して鞘(さや)に収め、「カキン」という効果音で完了する。納刀後しばらくの間、厳しい表情で遠くを見つめる吉宗を撮し続けるパターンが多い。また、善人がいる場合(稀に善人側に寝返った小悪� �も)は、吉宗の元にかけ寄って「上様とはつゆ知らず、無礼の数々をお許し下さい!」などと言いながら土下座するパターンも少なくない。
御庭番以外が成敗するケースとして、以下のような場合がある。
- 峰打ちで気絶させ、後に裁きを下すケース(Iの大半、III第2話)
- 最初期は殺陣を成敗で締める様式が確立していなかったため、大半をこの方式が占める。殺陣終了後のナレーションで経緯が説明されることが多い。大半は切腹だが、死罪、遠島というパターンもある。謁見中に反撃に出て再び打ち伏せられる(後述「吉宗の裁き」参照)、裁きを待たずその夜のうちに切腹する、といったパターンもある。
- 吉宗自身が成敗するケース
- 初期作ではこのケースが目立つ。IIでの尾張藩目付明石刑部とその手下の頭など、決め台詞も何も言わず斬り捨てるケースもある。それ以外では、「特に許しがたい」「怒りがおさまらない」「救えなかった者との約束」というケースに限定されるようである。その際には「貴様だけは(断じて)許さん!」「〇〇(犠牲者)の恨み思い知れ!」などと叫ぶ。
- 戦闘に参加した侍や、黒幕に殺害された者の遺族が仇討ちの形で成敗するケース
- 武芸の心得が無い者が仇討ちする場合、義によって吉宗が助太刀し黒幕から太刀を奪って実行される事が多い。仇討後、「見事だ。仇討本懐、祝着に思うぞ」などと労いをかけることがある。変形として、吉宗の助太刀なく、仇討ちの形も取らず、落した太刀を拾っての衝動的行動として復讐を遂げることもある。
- 黒幕自ら切腹、自刎して果てるケース(II第111話、第179話、III54話、VI第44話など)
- 比較的身分の高い者に多い。手下全滅後という往生際の悪さから、武士としての切腹というより自殺に近い。武士以外に老女なども自害することがある。尾張藩関係者の場合、自害する前に宗春は無関係であると言ってから自害する例もある。
- その場で切腹を申しつけられるケース
- I第67話など。場合によっては、山田朝右衛門が介錯役としてやってくることもある。
- 生かしたまま町奉行に捕縛させるケース
- 捕らえられるのは悪徳商人・軍学者などが多い。これら幕臣以外の身分が低い者は多くは獄門になる。まれに悪徳商人にかつがれた旗本なども捕えられることがある。
- 叩き伏せられて屈服するケース
- 叩き伏せられて屈服、土下座する。裁きの結果は説明されないこともある。
成敗された黒幕達は、表向き、病気による急死や事件の責めを負っての切腹という形で処理される。黒幕達の家は取り潰しになる場合が多いが、一部の大名等は息子、兄弟、親戚に継がせる場合がある。
[編集] 吉宗の裁き
初期のシリーズにおいて、大名、直参の黒幕は戦闘シーンには登場せず、共犯者(悪徳商人、下級旗本、陪臣など)とその手下が全滅した後後日口実を設けて江戸城中に呼び出され、その場で処断の沙汰が下るケースも存在した。大抵は恐れ入って処分を受け入れるが、I第65話の佐久間主馬など、より身分の高い共犯者や忠相に助けを求めたケースもある。
パターンとしては、
そうあなたが排除の曲を踊ることができると思います
- いきなり叱責
- いきなり叱責、糾弾される。場合によってはこの時黒幕が初めて吉宗の正体を知ることもある。
- 下賜品として事件関係の品を賜り叱責
- 初め功績を褒め、下賜品を賜り、悪人がそれを開けると事件に関係する物品であり、悪人が一瞬身を固くするのを契機として、吉宗が態度を一変、悪事を責め立て切腹の沙汰が下る、など。
- 政策を取り上げ賞賛した後悪事を暴く
- はじめ黒幕の提案した政策を採用し、賞賛した後「一つだけ残念なことがある」などと言っておもむろに悪事を暴く。その後叱責となったり黒幕が逆上して吉宗に斬りかかり取り押さえられるなどのパターンがある。
- 遠回しに尋問の末悪事を暴く
- 奥歯に物の挟まったような言い方で遠回しに黒幕に犯行を自白、切腹するよう迫る。たいてい黒幕は自白せず白を切り、証人を突きつけられて吉宗に斬りかかり取り押さえられるなどの結末になる。その後、切腹するシーンまで描かれることもある。
- 吉宗が詰所に現れ黒幕を叱責
- 江戸城内における黒幕の詰所に吉宗が現れ、黒幕を叱責、改易や切腹を暗示して去る。黒幕が吉宗に斬りかかり、成敗されるパターンや往生際悪く忠相らに執成しを求めて叱責されるパターンもある。
などがある。
[編集] 事件解決後
悪が成敗された後のシーンは、江戸城内の庭園(または江戸の町中)で爺や忠相らと散策しながら、以下のような要素を含んだハッピー・エンドで締められることが多いが、悲しみが残るバッド・エンド、怪談物や彗星落下の話、吉原で遊び狂ったり二日酔いで苦しむオチまで、バラエティに富んだものになっている。
- 救えなかった者を回想したり、改心して立ち直った者の近況を知り微笑む
- 事件から浮かび上がった現行制度の問題点などを指摘し、再発防止の観点から改革の必要性を語り、陪席する忠相らとともに問題意識を共有し合う
- 縁談話をする爺からお茶目な表情をして逃げる
回によっては悪党に捕えられた善人の救出過程を端折ったり善人のその後を吉宗と爺・忠相のやり取りだけで語るという展開も多かった。また、このドラマでは、ストーリーの中心人物の女性が"徳田"に恋心を抱くという設定が多いが、最後には徳田が事もあろうに将軍・吉宗と明らかになってしまうため、その恋が成就することはない。このため、決して叶わぬ恋と知りながらも吉宗を想い続ける切ない姿やその複雑な胸の内について、以下のようなほろ苦い内容のナレーションで締められることも少なくない。
- 去ってゆく吉宗に向って、千恵はいつまでも手を振り続けた。淡い恋を振り切り、武士の娘として生きるために。その、いじらしくも切ない娘心を誰よりも分かっている吉宗であった(VI第1話)。
[編集] 主要登場人物
ここでの記述は、本作における設定に基づく。細かい設定は詳細は「暴れん坊将軍のシリーズ」を参照。実在の人物については#史実との相違点の項も参照のこと。
[編集] 吉宗と周辺人物
- 徳川吉宗
- 演:松平健
- 本作の主人公。江戸幕府第8代将軍。独身。
- 江戸市中に出た際には身分を隠すため、(貧乏)旗本の三男坊「徳田新之助」を名乗り、江戸町人火消し"め組"の居候として振舞う。め組の人々からは「新さん」「新の字」などと呼ばれる。新之助は独身で市中の女性に大変人気がある。
- 「新之助」の名は元服の際につけたものであるが、姓は「徳田」ではなく「得田」であった。これは吉宗が嫡子ではなく母の家柄も低かったため、幼時に家臣の得田家に養子に出されたことによるもの。ごく稀に、ゲストが「徳田という旗本がいない」ことを知っており正体を訝しがられるパターンもある。
- 使う剣術は将軍家御止め流「柳生新陰流」。その太刀筋から、目利きの剣士に将軍家関係者と見破られるときもある。柳生新陰流の特徴は無形の位にあり、無造作に刀をだらりと下げた一見隙だらけの構えからの自由な剣さばきを特色とする。
- 御側御用取次役
- 吉宗に従う老齢の幕臣。吉宗の幼少時代の教育係で、現在でも吉宗からは「爺」と呼ばれる。独身で世継ぎのいない吉宗を案じ、吉宗に妻を持つようたびたび進言する。
- 吉宗が市中へ出ることに反対しているが、吉宗を探すなどの理由で自らも市中に出ることがある。市中に出る際には新之助のおじ、あるいは知り合いの隠居(町人)を称し、め組の人たちからは「ご隠居様」と呼ばれている。
-
- 加納五郎左衛門
- モデルは加納久通。
- 有馬彦右衛門
- モデルは有馬氏倫。
- 田之倉孫兵衛・宍戸官兵衛・横川勘十郎
- その他は「暴れん坊将軍のシリーズ」を参照。
- 御庭番衆
- 元紀州藩主の吉宗が代々自分の家に仕え信用のある家柄から登用した男女二人の忍び。吉宗の近辺に常に待機しており、市井を徘徊する吉宗の警護はもちろん、吉宗直々の命により、悪事の証拠を掴むための諜報活動や事件の鍵を握る人物の身辺警護などを行う。
- 大岡忠相
- 江戸南町奉行。吉宗の市中徘徊については「爺」ほどには反対しなくなっているが、トラブルがあると意見を言うことがある。城内だけでなく南町奉行所で捜査の報告をすることが多い。
- お由利の方(浄円院)
- 吉宗の生母。城での生活を拒み、江戸郊外の深川清涼庵で隠居している。
- 山田朝右衛門
- 元公儀御試御用。
[編集] め組
江戸町火消しの1つで、"徳田新之助"の居候先。江戸っ子気質の組頭(頭)とその妻(おかみさん)、組頭の下で働く"小頭"と"若い衆"と言う構成で、全員が新之助を家族のように信頼し慕っている。ただし新之助や隠居の正体を知る者は歴代の頭に限られ、おかみさんや若い衆などは、新之助を「仕官の道も探さずブラブラ遊び呆けている気楽な旗本の三男坊」[4]と信じている。事件が起きた際には一致団結し、その組織力で新之助の調査に協力する。
- 辰五郎
- 演:北島三郎
- め組の初代頭、後に町火消肝煎、江戸町火消総元締となる。15代将軍徳川慶喜と親しかった新門辰五郎がそのモデルと思われる。
- 火消しになる前は大工をやっていた。まため組は江戸一番の町火消と言われている。
- 演じる北島のスケジュールの都合で登場しない話もある。この場合は、上方(大阪)出張などの設定となっている。
- おさい
- 辰五郎の妻。
- 長次郎
- 演:山本譲二
- め組の二代目頭。
- おぶん
- 長次郎の妻。
- 栄五郎
- め組の三代目頭。お杏の兄。
- お杏
- 栄五郎の妹。
[編集] 幕府・武家関係者
- 徳川宗春
- 尾張藩第7代藩主。吉宗と将軍の座を争って敗れた過去を持ち、表向きは吉宗に臣従しているものの、機会あらば天下を狙っている。反主流派の頭目としてたびたび登場。吉宗と真剣勝負をし斬られたこともある(命は助かった)。単に「尾張殿」と呼ばれることも多い。
- 徳川宗直
- 紀州藩第6代藩主で吉宗の従兄弟にあたる。主にスペシャルのとき登場したが、人物が登場せずに名前のみが話の流れの中で登場することもあった。悪人に踊らされて吉宗と敵対することもあった。演じる役者についてはシリーズを通して固定されなかった。第Iシリーズ第38話では森次晃嗣、第IIIシリーズでは小林芳宏、佐久田修が演じた。第IXシリーズにおいては第26話では伊庭剛が演じ(伊庭が演じるのは第IVシリーズに続き2度目である)、第34話では名前のみの登場となった。後者では本人が登場して間がない時期に同人自身が非を働いたという設定がなされたためか、紀州藩主就任前の名である頼致が用いられた(ただし第26話においても頼致が藩主就任時に宗直に改名したことは史実のとおり語られている)。
なお、後述のとおり歴史上の実在人物が登場することは多い。その中には宗直同様複数回登場した人物も少なくない。前水戸藩主水戸綱條、水戸藩主徳川宗堯、五代将軍徳川綱吉の養女竹姫、薩摩藩主島津継豊、老中水野忠之などである。が、いずれも演じる役者についてはその都度キャスティングが異なり、固定されていなかった。
[編集] 主要人物のまとめ
●主役徳川吉宗役
●め組組頭
●南町奉行、大岡忠相役
●御側御用取次(爺ポジション)
愛はどのような1994年です。
- 加納五郎左衛門:有島一郎(Ⅰ~Ⅱ)1978年~1987年、田之倉孫兵衛:船越英二(Ⅲ~Ⅶ)1988年~1997年、宍戸官兵衛:高島忠夫(Ⅷ~Ⅸの15話まで)1997年~1999年、有馬彦右衛門:名古屋章(Ⅸの16話から最終回SP)1999年~2003年、横山勘十郎:神山繁(春のSP)2004年、加納五郎左衛門:伊東四朗(ドラマSP~)2008年~
●め組組頭の妻、妹(女組頭ポジション)
●御庭番(男)
●お庭番(女)
●め組小頭(Ⅰでは小頭が二人居た)
●尾張大納言宗春
●吉宗生母・お由利の方
- 中村玉緒(Ⅰ~ Ⅶ、Ⅷ、Ⅹを除く)1978年~1990年。1991年~は浄円院となるが2008年SPでは再びお由利の方に。、丹阿弥谷津子(Ⅰの4話のみ)1978年
●め組住み込み
●め組に住み着き
- おまち〔辰五郎の妹〕:岐邑美沙子(Ⅰ~Ⅱ)1978年~1987年、おちよ〔辰五郎姪〕:田中綾子(Ⅲ~Ⅶ)1988年~1997年、お葉〔め組小頭半次郎妹兼医師見習い。Ⅳでは半次郎の妹という設定は無くなる〕:伊藤つかさ(Ⅲ~Ⅴ)1988年~1994年、お凛〔め組頭長次郎の姉兼産婆〕:松金よね子(Ⅸ~800回新春SP)1998年~2001年
●め組若い衆
龍虎:龍虎※居候という肩書き
常:阿波地大輔
鉄:井上茂
久:谷崎弘一
龍虎:龍虎1話~66話までは骨接ぎ医師だったが、67話で再びめ組へ
常:阿波地大輔
鉄:井上茂
久:谷崎弘一
六:さとう弘66話から
才次:真砂皓太
常吉:白井滋郎
虎造:和泉史郎76話まで
伊助:斉藤弘勝
六太:原亮介
源八:大石源吾77話から
才次:真砂皓太
常吉:白井滋郎
伊助:斉藤弘勝
六太:原亮介
源八:大石源吾
源次:真砂皓太
常吉:白井滋郎
伊助:斉藤弘勝
綱八:嶋広史
源次:真砂皓太
常吉:白井滋郎
凡平:角巻信彦
源次:真砂皓太
常吉:白井滋郎
三平:安藤一人
駒三:西川潤
忠太:木下通博
佐渡吉:田井克幸
虎松:福山龍次
忠太:木下通博
佐渡吉:田井克幸
神大介
忠太:木下通博
佐渡吉:田井克幸
簑吉:長田昭彦
- 800回新春スペシャル 2001年
Xと同じ
仙太:長田昭彦
歳松:上野秀年
XIと同じ
XIと同じ
寅吉:工藤広一
伝六:建蔵
千太:本山力
[編集] 史実との相違点
本作には主人公の吉宗をはじめとして実在の人物が多く登場するが、史実と異なる脚色がされている部分がある。以下に主なものを挙げる。
- 本作のように将軍が供を連れずに出歩くことはまず不可能だが、徳川家光は夜間に城を抜け出すことがあったという[5]。
- 吉宗は本作では未婚だが、史実では将軍就任時にはすでに側室がおり(正室は死去)嫡男の徳川家重が誕生していた。
- 御側御用取次役(加納五郎左衛門:加納久通)は幼少時代の教育係であり、のち吉宗に付き従い幕臣となる。吉宗に妻を持つようたびたび進言しており、史実でも子を残すために周囲が奮闘した事が記録に残っている。
- 吉宗の生母:お由利の方は、本作では江戸郊外に住み出家も在家得度もしていない。史実では吉宗が将軍職に就く前に出家し、浄円院を名乗っている。また江戸城内にて庵を与えられていた。
- 尾張藩主:徳川宗春について、いくつか史実と異なる設定がなされている。
- 本作では吉宗よりも年上だが、史実では年下(吉宗は1684年生、宗春は1696年生)。
- 本作では官職が大納言だが、史実では権中納言。
- 本作では吉宗と将軍の座を争って敗れたが、史実で将軍の座を争ったのは前尾張藩主で宗春の兄:継友(最終登場となる第IXシリーズ最終回のナレーションおよび劇中では継友が将軍職を争った旨に訂正されている)。なお宗春の「宗」は尾張藩主就任時に吉宗の名からもらったもの。
- 紀伊藩主:徳川宗直は、本作では吉宗よりも年下のイメージで演じられているが、史実では吉宗よりも年上である(吉宗は1684年生、宗直は1682年生)。
[編集] 本作独自の設定
[編集] 脇役の活躍
[編集] め組
め組は、徳田新之助に姿を変えた吉宗が、身分を隠して城下の人々と触れ合うための拠点として出入りしているのが江戸の町火消である。権力の頂点に君臨する吉宗がその重責から解き放たれ、心安らぐひと時を過ごせる憩いの場所でもある。新之助の正体は頭しか知らない(頭が新之助の正体を話したときも信用しない[6])ため、彼ら(主におかみさん)が"吉宗に対する批判"や"新之助への苦言"、"新さんの七不思議"[7]などを率直に口にし、気まずい思いをするものの真実を明かせず困惑する新之助と言葉を濁しながら皆をたしなめる頭の姿は、このドラマの名物シーンとして定着している(このパターンは、シリーズX(通称)の大岡忠相とその姪子にも受け継がれている)。劇の序盤では、なごやかな一日の始まりを演出するためのめ組であるが、口封じに狙われている人物を保護したり、凶悪事件を警戒しての夜回り、若い衆たちを動員しての情報収集活動、さらには、事件の手掛かりとなる重要情報が得られたりと、悪事に挑む吉宗にとって無くてはならない存在となっている。
なお、史実によれば、め組は1720年(享保5年)に徳川吉宗が設置した町火消47組(後に48組)のひとつであり、現在でいうところの消防団にあたる。このほか、火消には、飯田橋、市ヶ谷、お茶の水、麹町の4か所に設置された公儀直轄の「定火消(じょうびけし)」、江戸城や各藩の江戸屋敷を火事から守るために組織された「大名火消」などがあり、これらは現在の消防署の礎となる組織である。このドラマでは、火事場において、め組と定火消(定火消の大役を利用して陰で火付け盗賊を働く悪役として登場)が管轄などをめぐってたびたび対立し、消火作業そっちのけで喧嘩を始めるなどの場面があるが、これらは「火事と喧嘩は江戸の華」といわれる史実を巧みに表現したものである。
[編集] 御庭番
公儀御庭番は、吉宗が紀州から連れてきた隠密御用の紀州忍者のほか、江戸城の裏門や大奥の警護にあたる伊賀忍者、大手三門の守備を行う甲賀忍者などで構成されている。忍びの者たちは、天正10年、本能寺の変で危機に陥った徳川家康を救った初代服部半蔵以来、公儀御庭番として忠節に励んできたという設定になっている。その存在を知る者は爺や大岡などごく少数で、辰五郎以外のめ組関係者と接触することはほとんどない(Ⅱ第58話ではお才、第177話では龍虎が知り合っている)。
御庭番は町中では町人や行商人に、屋敷に潜入する際は忍びの格好という具合にその場の状況に応じた装いで活動する。そのほか、二人の御庭番が夫婦という設定で貧乏長屋に住み込んで内情を探ったりするほか、賭場の博打打ちや問屋で働く用人、大商の番頭や手代、飴売り商人、女中奉公の娘、さらには大奥に潜入したりと様々な身分になりすまして潜入捜査を行うこともある。一方、諜報活動で失敗した時に切腹しようとしたが吉宗から「人は失敗を重ねてこそ成長できる」「この吉宗が仕事に完全無欠な人間だけを望んでいると思っているのか」「これからも頼むぞ」などと言葉をかけられて思い留まった。
また御庭番にスポットをあてた作品も少なからずある。タイトル中に御庭番が入った作品として「お庭番非情!」「あわれ、女お庭番」「吉宗狙撃! 消えたお庭番」「庭番慕情、禁じられた恋の笛!」「お庭番を愛した女」「女お庭番の涙 怪盗夜がらすの正体は?」「吉宗を愛した女お庭番! 断崖に消えた恋」「危機一髪! お庭番の禁じられた恋」など恋沙汰ものが多い。
[編集] シリーズ
詳細は「暴れん坊将軍のシリーズ」を参照
[編集] 撮影場所
- OPでは浜を白い馬に乗って走る吉宗の映像が使われていることがある(富士山を背景にしていることもある)。なお撮影は海ではなく京都の大沢池で行われた。
- 劇中「江戸城」として登場する天守閣は国宝姫路城である。また、吉宗が弓の稽古を行う場面や鯉に餌を与える場面は、国宝彦根城の玄宮園池畔で行われることもあり、このときは彦根城の天守閣が江戸城の一部として使用されている。なお、史実では吉宗の時代、江戸城に天守閣はない。
- 二条城
- 大覚寺(京都)
- 御室仁和寺(京都)
- 東映太秦映画村
- 和歌山城
- 根来寺(和歌山)
[編集] オープニング曲
- I~VIII:暴れん坊将軍のテーマ 作曲:菊池俊輔
- IX:「未来」作詞:大地土子 作曲:原譲二(北島三郎) 編曲:宮崎慎二 歌:北島三郎
- X:オープニングなし
- XI、XII:「輝」作詞:大地土子 作曲:大地土子 歌:北島三郎
[編集] エンディング曲
- I、II:「炎の男」作詞・作曲:原譲二(北島三郎) 編曲:池多孝春 歌:北島三郎
- III、IV:「がまん坂」作詞・作曲:原譲二(北島三郎) 編曲:鈴木操 歌:北島三郎
- V~VII:「男道」作詞・作曲:原譲二(北島三郎) 編曲:鈴木操 歌:北島三郎
- VIII:「陽だまり人情」作詞・作曲:原譲二(北島三郎) 編曲:鈴木操 歌:北島三郎
- IX:エンディングなし
- X、800回SP:「未来」作詞:大地土子 作曲:原譲二(北島三郎) 編曲:宮崎慎二 歌:北島三郎
- XI、XII:エンディングなし
- 最終回SP、春のSP:「輝」作詞・作曲:大地土子 編曲:宮崎慎二 歌:北島三郎
[編集] 挿入歌
老中・若年寄・寺社奉行・勘定奉行・勘定吟味役・北町奉行・佐渡奉行・長崎奉行・関東郡代・火付盗賊改方・大番頭・大目付・地方の代官(主に関東地方)などの幕閣や幕府の役人たち、吉宗や忠相によって罷免された元役人(含む間部詮房など)・旗本・旗本の用人・与力・商人・医師・浪人・僧侶・大奥・公家・大名の江戸及び国家老・大名の兄弟や親戚・江戸留守居役・そして大名本人(主に譜代大名・ただし、登場する藩は大抵実在しない架空の藩が多く、実在する藩は尾張・薩摩などごくわずかである)などが悪人として登場する。ただ、悪人が盗賊団のみというケースもあり、そうしたケースでは、吉宗が正体を明かさないまま成敗に到ることもある。また、話によっては尾張藩主徳川宗春がライバルとして登場する。南� ��奉行は大岡忠相なので悪役にはなり得ない。ただし第1シリーズ第1話は大岡忠相が南町奉行に任命前であり、前任者が悪党であった。
悪の親玉は御庭番が止めを刺す。本人は、身分の高いものは殺生をするべきではないとの考えから峰打ちにしている。そうはいうものの、打たれた敵が頭等から血を流していることがある。統計によれば、1話あたり平均35人が上様に殴り倒されるという。831話までに上様に殴り倒された人数は約29,000人である。末期には一部本身の刀を用いて火花を散らすシーンや殺陣や成敗シーンにスローモーションを使うシーンも見られた。絶対に殺生しないというわけでもなく、吉宗が心底激怒した場合、敵(の刃)が眼前に迫っている場合、御庭番が側にいない場合、そして腕が立ち御庭番でも危うい剣の達人が相手の場合には自ら討つこともある。IVシリーズ第61話の殺陣において、はね退けた悪党の太刀が手から飛んで壁に突き刺さり、当の悪 党は得物を奪われた形で峰打ちされるという、吉宗の鋭い剣さばきを演出した珍しいシーンが見られた。
富士山をバックに海岸線を走るシーンは、静岡県静岡市清水区。画像処理ができなかったのか、松平健の背後右下に遠くの海岸の側にある工場の煙突が映りこんでいた。
- 殺陣において家臣達は白足袋姿を装った祭足袋を着用しているが、倒れても褐色のゴム底部が放映されないように倒れ方やカメラアングルでカバーしている。
- 高島礼子が御庭番役で芸能界デビューを果たし、女優の登竜門として注目され続けた。この高島をはじめ、お庭番を演じるレギュラーが、レギュラー出演以前あるいは以後にゲスト出演することも多い。
[編集] 周辺エピソード
- 松平が長年にわたり吉宗役を務めたため、「吉宗=松平健」というイメージが定着している。"歴史テストの『江戸幕府8代将軍、徳川吉宗の別名は( )将軍と呼ばれたか?』(正解は"米")という問題に思わず"暴れん坊"と書き入れてしまった生徒が居た"という笑い話もある。松平健自身も、暴れん坊将軍以外の露出が少なかったこの時期、チョンマゲはカツラではなく、本物説だったと言うエピソードもあった。また、以下のようにパロディ化されている。
- 藤沢とおるの漫画・GTO:主人公の鬼塚英吉が全国中学模試を受ける策略にはまり、その勉強のために、同僚の教師・冬月あずさに「徳川8代将軍は?」と問われて「ま、松平健...」と自信なさ気に答える(単行本6巻)。ドラマ版では「徳川8代将軍は松平健で、15代将軍はモックン(大河ドラマ『徳川慶喜』の主役)だ!」と自信満々に答えている。
- 秋本治の漫画・こちら葛飾区亀有公園前派出所:亀有に8代将軍吉宗が鷹狩りに来たという伝承に主人公の両津勘吉が「亀有に松平健が来ていたとは」と驚く(単行本117巻)。
- ハワイでも、地上波テレビ局KIKU-TVが英語字幕付(タイトルはそのまま"Abarenbo Shogun")で放送したため、松平健は日系人を中心とした地元住民にも"Shogun Yoshimune"として知られている。
- 2009年9月からは、SUNTORYとのタイアップ企画で「飲んで当てよ!!」キャンペーンが実施されていた。第1弾は、肉・米・魚の食材御三家1年分、第2弾は、ラーメン・蕎麦・饂飩・焼き蕎麦・パスタの天下5麺1年分、第3弾は、上様ダウンCollection21種類が当たるプレゼントを展開。
- 松平は当シリーズを「自分の成長、人生をともにした分身」と公言し[8]、水戸黄門の終了などで子供が時代劇を見る機会が減りつつあることについては、再放送や下記仮面ライダー映画が時代劇に触れるきっかけになればうれしいと話している[9]。
[編集] パチンコ・パチスロ
※すべて藤商事からの発売。
- パチンコ
- CR暴れん坊将軍 (2004年)
- CR暴れん坊将軍2 (2006年)
- CR暴れん坊将軍3 (2009年)
- CR新暴れん坊将軍 吉宗危機一髪! (2010年)
- CR新暴れん坊将軍 不死身の闇烏 (2011年)
- パチスロ
- パチスロ暴れん坊将軍 (2007年)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ^ a b 能村庸一『実録テレビ時代劇史 ちゃんばらクロニクル1953-1998』 東京新聞出版局、1999年、241-244頁
- ^ 2010年5月から時代劇専門チャンネルで第1シリーズからの放送が開始される。
- ^ 初めてシングルが挿入されたのはII第86話である。
- ^ ゲストとして登場した旗本が「せめて二百石の家柄から婿を迎えたい」というのに対し奥方が「徳田様くらいでちょうどいい」と切り返すラストシーンが描かれた回もあり、二百石以下の旗本として認識されていると思われる。ちなみに武家としての体面を保てる最低の格は百石とされる。
- ^ 得能審二『江戸時代を観る』 リバティ書房、1994年、100頁
- ^ 吉宗評判記の第3話で辰五郎がおさいに新之助の正体を明かしているのだが、おさいは全く信用しなかった。
- ^ II第146話「ちゃんを返して、将軍様!」において、め組の若い衆が"新さんの七不思議"と題して次の疑問を頭にぶつけている。その1:住んでる屋敷がどこだか分からない、その2:親兄弟など家族構成が分からない、その3:女を知っているのか、その4:加納との間柄がよく分からない、その5:大岡忠相と親しい、その6:旗本の冷や飯喰いの割には血色がいい、その7:金が無いと言いながら肝心な時にはちゃんと持っている
- ^ 松平健の暴れん坊将軍来冬スペシャル復活朝日新聞 2008年7月29日
- ^ 【松平健】"暴れん坊将軍"家では子供とチャンバラごっこzakzak 2011年8月3日
なお、当番組でシリーズが終了した土曜時代劇の次番組は『プリズンホテル』(サタデードラマ)、同じく木曜時代劇の次番組は『いきなり!黄金伝説。』である。
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